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松村 弘子さん(66)
出身地/高知県黒潮町
移住時期/2023年6月
生まれは高知県黒潮町ですが、高校卒業と同時に兵庫県に出て、それから結婚し、子ども2人を育て、ずっと兵庫県で暮らしていました。都会にずっといると、生まれ故郷の田舎が恋しくなりますね。
決断のきっかけとなったのは、子どもが2人とも自立して結婚したことと、黒潮町の実家の母が高齢のため、やはり何かあった時にすぐ駆け付けられるように近くに住んでいたほうがいいだろう、と思ったことでした。
夫は兵庫県の家を離れることを考えなかったので、それぞれの場所で自由に生きることにしたんです。
高知に帰ってもヨガを教える仕事を続けていきたいと思っていたので、幡多地域の中心地である四万十市で、ヨガのレッスンもできるお家がないかと「NPO法人四万十市への移住を支援する会」に相談しました。それが1月。
暖かくなった春頃に、街中のコンパクトな家を紹介してもらい、6月には移住することができました。
この1年は生活を安定させるために、ヨガレッスンをしながら、他に教室のできる場所を探したり、チラシを作って配ったり、日々忙しく過ごしていました。そんな中でも少し外を歩けば自然があって、とても癒されています。
子どもの頃は自然の良さなんてわかりませんでしたが、山も川も海もあって、今はとても魅力的だと思いますね。
住んでいるのは街中ですが、人とのつながりはちゃんとあって、わからないことがあると地域の方が丁寧に教えてくださり本当にありがたいです。
今は自宅だけでなく「しまんとぴあ」「安並運動公園」「新町集会所」でヨガとピラティスのレッスンをしています。生徒さんお一人お一人にじっくりと向き合う少人数のクラスです。
ヨガをはじめたのは、ダンスが好きで習っていた頃に体を痛めたことで、このままずっとダンスを続けていくためには体のケアをしないといけないな、と思ったことがきっかけでした。60歳手前頃からしっかりと勉強して人に教えるようになり、8年が経ちます。
毎回、生徒さんとのレッスンやおしゃべりが楽しくて、本当に私の方が元気をもらっていますし、慣れない環境の中でも支えてもらっているなぁと感じています。
ヨガには「むすぶ」「つなぐ」といった意味がありますから、ヨガが素敵な人たちとご縁をつなげてくれたのかな、と思っています。ヨガをやっていて良かったです。
ヨガの良さを広めていく活動を続けていきたいです。ヨガは年齢関係なくマットひとつでできて、人と比べる競技ではないですし、シニアの方や男性にもやってほしいです。海ヨガやナイトヨガも企画してみたいですね。
プライベートでは、今年、四万十市民祭でズンバのダンスチームに入って踊ることになりました。少しでも地域のお祭りを盛り上げられたらうれしいです。
現実的な話、移住してすぐに仕事が見つかればいいですが、思うような仕事に就けなくても最低でも1年間くらい暮らせるくらいの蓄えを用意しておいた方がいいです。空き家バンクの家賃は安いですが、田舎でもすべての物の値段が安いとは言えません。
あとは、孤独にならないことです。移住してからが本番なので、近所の人にわからないことを素直に聞いたり、NPO法人四万十市への移住を支援する会に相談したりすれば、助けてくれる人は必ずいます。
移住者交流会に参加できたことも良かったです。移住の先輩と話すといろんな情報が聞けますし、頑張っている姿に励まされます。
ヨガレッスンをどうやったら知ってもらえるか悩んでいた時には、NPOの担当の方にInstagramをやってみたらどうですか?と提案いただき、実際にやってみたら、Instagramを見て来てくださる方もおり、少しずつ生徒さんも増えてきました。四万十市に来てから人とのつながりに支えられていることを実感しています。
「HIROKO YOGA」Instagram
https://www.instagram.com/hirokoyogayoga /<外部リンク>
※このインタビューは2024年6月現在の内容です。