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甫喜本 司さん(58)・千鶴さん(58)
出身地/京都府・奈良県
移住時期/2021年2月
家族構成/夫婦
千鶴さん(以下:千)
コロナ禍に入る少し前くらいから古民家暮らしをしてみたくて、関西圏で家を探していたんです。
それがコロナ禍になって仕事をオンライン化したら、ますます都会で高い家賃を払って住み続けることが馬鹿らしくなりました。
司さん(以下:司)
都会でお金や便利さを追い求める暮らしから、自然環境や健康、人とのコミュニケーションといった方向へ価値観がガラッと変わりましたね。
関西ではしっくりくる古民家が見つからなかったので四国にも視野を広げてみて、見つけたのが四万十市の空き家だったんです。
私の父方の実家が四万十町なので高知を訪れたことはありましたが、西土佐に何か縁があったわけではありません。
ただ、空き家の見学に伺ったときに管理人さんがわざわざ来ていろんなことを教えてくれて、オープンな県民性や人の良さを感じました。
千:縄文時代の遺跡も近くにあって、そんなに昔から人が住み続けている土地ならきっと良い場所だろ
うな、と感じたことも決め手でしたね。
司:環境が本当に素晴らしい。
都会では車の音や人の雑踏がノイズでしたけど、ここではカエルや鹿の声や川のせせらぎがとても
心地がいいです。
家のとなりに地域の人たちが有志で手入れをしているバラ園があって、月に一回集まって草抜きを
するんですが、終わった後の宴会にも楽しく参加しています。
飲み会の中で、「無農薬で田んぼをやってみたい」と口にしたら「うちの田んぼを貸しちゃる」と
近所の方が言ってくださって、本当にいいんですか?とビックリしました。
無農薬の米作りの方法は別のところで教わっていましたが、周りのおんちゃんたちがとても親切に
教えてくれるので、自分たちのやり方だけにこだわるのではなく、地域の人のやり方でまずはやっ
てみようと思って、一緒に籾まきをさせてもらいました。
ここに住む上で、地元の人とコミュニケーションをとることはとても大事にしています。
千:人とよく喋っていますね。
バラ園の作業も絶対出ないといけない強制的なものではないですが、家の目の前ですし、こういう
作業をさせてもらえる機会はなかなか都会ではないので、自分ちの庭のように思ってありがたく参
加させてもらっています。
司:健康指導を仕事にしているので、地域のみなさんの健康づくりのために一緒に体操をすることもあ
ります。
やっぱり地域の高齢者が元気でいること、心身が健康で過ごせることが一番ですね。
今動いている方たちが動けなくなったら、私たちの世代だけでは人数的にも今の集落を維持してい
くことはできないので。
司:自分たちが食べるものをできるだけ自分たちの手で作りたいので、小さな畑があったらいいです
ね。
すべてを自給自足することは無理なので、自分たちのものと他の人が作っているものを物々交換で
きるようなコミュニティを作っていきたいです。
千:コミュニケーションを楽しめる人が向いていると思います。
地域の人はやっぱり田舎に住むなら草刈りや地域行事などに関わってほしいと思っているので、
それを一緒にできる人。
都会ではマンションの隣の人の顔も知らないのが当たり前ですが、こっちではみんな知り合い
です。
そんな都会ではないつながりを感じられることを良いなぁと思えるなら大丈夫です。
司:野菜も四万十牛も安くておいしくて、良い食べ物を食べているので健康的な暮らしができます。
星もきれい、川もきれい、蛍も見られる本当にいい環境。車さえ運転できれば意外と困らないです
よ。
https://www.instagram.com/legend.maguwaina/<外部リンク>
※このインタビューは2023年5月現在の内容です。