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人権コラム(令和4年10月号広報掲載)

更新日:2022年10月12日更新 印刷ページ表示

~ 温度差 ~

 寝ていると暑くて布団を蹴とばしたり、首のすき間から冷気が入って眠れない季節がある。隣にパートナーがいればなおさらだろう。そんな「微妙な季節」にエアコンをつける、つけないで、喧嘩になったりもする。かなり規模は小さいが戦争である。寒がり、暑がりは人それぞれで、そこには文字通り「温度差」がある。
 国家間の問題もこれに近い。自分の正義が相手の正義であるとは限らない。だから自分の正義を押し付けるとしまいには争いになる。
 戦争は人権侵害の最たるものである。なにせ「自分の言い分」を通すために国民に人殺しを強いるのである。これほど理不尽な人権侵害があるだろうか。
 私たちはふつう戦争を始めたほうに非があると考えるが、始めたほうはそうは思っていない。そして私たちが片方を悪者にしてもしなくても、多くの罪のない人々が死んでいるのはまぎれもない事実なのだ。
 歴史から学び、戦争を二度と起こしてはならないと誓った私も、他国の出来事をなす術なく見ているのみである。
 ただ、「温度差」を埋める努力をするかしないかで世界は大きく変わってくると、私はまだ信じている。

 

四万十市人権教育・啓発講師 光内真也