本文
人権コラム(令和4年8月号広報掲載)
更新日:2022年7月28日更新
印刷ページ表示
~ 歴史 ~
「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」
徳川家康の人となりを表す川柳である。もちろん家康がこう言ったわけではないが、そう言ったように感じられるのは何故か。私はホトトギスがどんな鳴き声か知らないし、家康がじっと我慢して天下を手に入れたと知っているわけでもない。でもだいたいそんな感じであったという気がしている。これが歴史の怖さである。果たして「歴史」は真実を伝えているのか。その時代に生きて、実際に見たわけではないので誰も断言はできない。
これだけ情報が飛び交う「今」でさえ、私たちはフェイクニュースに平気でダマされる。事実でなくても、さも事実のように書かれていると、それは事実に見えてくる。差別の歴史もまさにその繰り返しの中でつくられたと言える。
誰かにとって「都合の悪い真実」はボーっとしているといつの間にか「都合の良い嘘」にとって代わる。だから私はボーっとしないでおこうと思う。
四万十市人権教育・啓発講師 光内真也