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人権コラム(令和4年2月号広報掲載)
更新日:2022年5月9日更新
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~ 心のつぶやき ~
便利な時代になった。携帯電話やインターネットのおかげで、遠くの人も近くに感じられ、一人のつぶやきも世界中を駆け巡る。心にとどめていた言葉も「匿名」という「名」のもとで言えるようになった。そして「心のつぶやき」は良くも悪くも心から漏れ出して聞こえるようになってきた。
当たり前だが、人は聞きたいことを聞きたいし、聞きたくないことは聞きたくない。しかし今は好むと好まざるとにかかわらず、何もかもが聞こえてくる。これが便利になった時代の代償なら、「便利さ」とはいったい何だろう。
また、「自由」にものが言える時代になっても、それが人に対する「誹謗・中傷」であるなら、決して言論の「自由」として許されるものであってはならない。ネットの世界では一度世に出た言葉は、本人の意思とは関係なく世界中に拡散されていく。もう取り返しがつかないのである。人にむけた「誹謗・中傷」は時として、その人を死に追いやることさえある。
私たちは言いたいことを言う前に一度立ち止まって、そのことを考えなければならない。
四万十市人権教育・啓発講師 光内真也