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人権コラム(令和3年10月号広報掲載)
更新日:2022年5月9日更新
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~ やればできる ~
人はどうか知らないが、わたしは、「やればできる。」と言われて、やったためしがない。
小学校の参観日で、母は「おたくのお子さんはやればできる。」と担任から言われた。その後、その子は教師になり、保護者に同じことを言うことになる。
「やればできる」と言われて「やらなかった」自分がいるのに、人には「やればできる」と言う自分。あきらかに矛盾していることが今ならわかる。
だから、さまざまな差別をなくす取り組みも、「やればできる」と軽々に言うことはできない。どんなに悲しい歴史も無かったことにはできないが、そこから学ぶことはできる。私は自分が歴史の一部である、などと考えたこともないが、間違いなく、この世界に存在する「全員」が歴史の一部なのだ。そうなると、逃げるわけにはいかない。人権問題は他人事ではなく自分の事である。逃げることのできない「自分」に向きあうと、覚悟ができる。
そして、問題を解決しようという「覚悟」があれば、「やればできる。」
四万十市人権教育・啓発講師 光内真也