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長嶋茂雄(令和7年8月号掲載人権コラム)
更新日:2025年7月23日更新
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~長嶋茂雄~
その業績を讃えたいが、どんな言葉も形容できない人がいる。長嶋茂雄だ。
私は単にプロ野球選手の話をしているのではない。戦後の日本の歴史を言っているのだ。かつて私は「四番サードながしまー。」と言って騒いでいた子どもの一人だった。その後、選手として、指導者として、深く野球に関わってきた。その源流に、やはり長嶋茂雄がいた。だから私にとって長嶋茂雄の訃報は単なる喪失感という言葉では表現できないものなのだ。
ここで言いたいのは、何故、長嶋茂雄が日本中の人々に愛されたか、である。
大きな理由の一つは「心の垣根」がなかったことであろう。一度でも彼に会ったことのある人は口をそろえて皆そう言う。職業や立場で人の優劣を決めない。簡単なことのようだが、周りを見まわすと、そうでない人のほうが多い。
人に好かれるということは、やはり、そういうことなのだ。様々な意見があるかもしれないが、敢えて言いたい。みんなが長嶋茂雄の心を持っていたら、今この世界に差別も戦争もないはずだ。
四万十市人権教育・啓発講師 光内真也