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人権コラム(令和5年10月号広報掲載)

更新日:2023年9月27日更新 印刷ページ表示

~方角~

 昔、お年寄りから「今日は北に行ったらいかん。」と言われた。理由が判然としなかったので気にせず歩きまわった。もちろん何も起こらなかった。
 今思うと何かの迷信めいたものだったかもしれないが、言われた方は、やはり気になる。方角にまつわる禁忌はほかにもいろいろある。しかし理由のはっきりしたものとそうでないものはちゃんと見極めなくてはならない。
 当たり前の話だが、四万十市の人にとって須崎市は「東」にあるが高知市の人にとって須崎市は「西」にある。要するに、「方角」は自分が「どこにいるか」が分かって初めて意味を持つ。どこにいるかが分からずに前に進もうとすると迷う。シンニョウに米と書いて「迷」となるが、これは米というより八方を表していると思う。だから、どこにも行けない状態を八方ふさがりという。自分がどこにいるかが分かれば、後は「方角」を頼ればいい。知らずに「迷信」を語ることは時に人を傷つけ、暮らしづらい社会にもする。
 もしも日によって「北に行ってはいけない」ということを絶対に守らなければならないならば「南極点」にいる人は「どこにも」「一歩」も動けない。

                            四万十市人権教育・啓発講師 光内真也