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シナフジの主な系統と品種について
四万十市の花藤の栽培状況
シナフジの主な系統とその品種
種名のシネンシスは、”中国産”という意味。
漢字では紫藤と書く。中国東部の原産で、中国各地で栽培されている。広州、成都、西安、北京などで、立派な藤棚があり、老木が植えられているのを見かける。
シナフジの特徴を一口でいえば、フジとヤマフジとの中間といえる形態である。つまり枝や葉はヤマフジ型で花はフジ型といえば、最も近い表現かもしれない。
花は青紫色か紫色で、フジよりも大輪。芳香があるといわれ、欧米ではフジと同様に利用されており、特にアメリカでは品種改良も行われている。
品種名 | 花色 | 特徴 |
---|---|---|
シロバナフジ | 白色 | 宮崎神宮のオオシラフジは同種と思われる。 アメリカで作出された園芸品種にアルバがある。 |
シロバナヤエシナフジ | 白色 | シロバナフジの八重咲き種で、アメリカの改良変種。 フジとの交配品種もある。 |
ウスベニシナフジ | 白色がかかった 紫紅色 |
アメリカでの改良変種。 フジとの交配品種もある。 花つきは密で、花房が長いといわれている。 |
ヤエザキシナフジ | 藤紫色 | 八重咲き種。 アメリカで作出されたブラックドラゴンは濃い紫色の園芸品種。 |
フイリシナフジ | 青紫色 | 葉に斑が入る。 |
ニオイフジ | クリーム白色 | 特に香りのよい品種。 やや大輪だが花はやや粗い。 花房は約30cm。葉はシナフジよりも小さいが少量の毛が残ることから判断すると、フジとシナフジとの種間雑種と考えられる。 棚仕立て、鉢仕立て、立木仕立てに適している。 |
アメリカフジ
種名のフルテスケンスは、”低木状”という意味。
北アメリカのフロリダ州、テキサス州が原産で4種知られている。現地でもほとんど普及していない。
高さ15m程度に達する落葉つる性木で、花は藤紫色でフジよりも小輪。花房は10~15cmでヤマフジよりも短い。開花は7~8月。