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令和2年度上半期活動報告(市立具同小学校との連携)
2020年5月25日 苗の受け取り
令和2年度も、具同小学校の5年生66人が「しまんと農法米」と同じ栽培方法での米づくりにチャレンジすることにしました。
この日の放課後は、JAから提供してもらった苗が学校に届く予定でした。子どもたちがブルーシートで作ったお手製のプールに水を張って苗の到着を待っていたところに、荷台いっぱいに苗箱を積んだ軽トラックがやってきました。
順番に苗箱を受け取り、丁寧にプールに並べていきます。最初はおそるおそる苗箱を抱えていた児童もいましたが、慣れてくると手際よく作業が進み、お互いに協力しながらあっという間にすべての苗箱を移し終わりました。田植えまでの間、大事に育てます。
2020年6月12日 お米の授業
この日は高知県幡多農業振興センターと四万十市役所農林水産課の職員を講師とした「お米の授業」が行われ、子どもたちはそろって専門家の話に耳を傾けました。
幡多農業振興センターからは水稲の栽培方法や日本でのお米の消費量について、農林水産課からは「しまんと100年。40010日プロジェクト」の取り組みや「しまんと農法米」の特徴についてなどの話を聞き、クイズに答えたり、メモをとったりしながらこれからの自分たちの取り組みへの理解を深めます。
授業が一通り終わったら、2クラスそれぞれの教室に分かれての質問タイム。
「お米にはどんな害虫がつくんですか?」
「お米が育つのにいい環境とはどんなものですか?」
「田んぼの水の温度は稲の成長に影響しますか?」
これから自分たちがお米を育てるとあって、栽培についての疑問を解消するべくたくさんの質問が飛び交いました。また、
「お芋にも病気があるんですか?」
今年度の5年生は、さつまいもの栽培にもチャレンジしています。お米、お芋、どちらも栽培に失敗しないよう、授業の時間いっぱいの質問タイムとなりました。
2020年6月14日 田んぼの跡付け
田植えを目前に、植える時の目印を付ける作業を行いました。田んぼは具同小学校から徒歩15分程度の場所にあり、地区の農業者の方から借りているものです。休日とあり子どもたちは自由参加でしたが、開始時刻には続々と田んぼに集まり、気づけば通常の授業と変わらないほどの人数となりました。興味とやる気が伝わってきます。
まずは高知県幡多農業振興センターの職員から跡付けの道具の取り扱い方や動かし方のコツを教えてもらってから、子どもたちは田んぼの両サイドに分かれました。そして2人1組となり田んぼを往復するように道具を転がしながら跡を付けていきます。
「どんどん右に逸れよるで!まっすぐまっすぐ!」
「せっかく付けた跡の上を踏みよるで!」
「体重かけすぎたら道具が壊れる!」
慣れない泥の中での作業は思った以上に難しく、2人の息を合わせるのにも一苦労です。また、途中からは天気も崩れてきて、小雨の中での作業となりました。それでも何往復もした結果、約14aの田んぼ一面に碁盤の目状の跡がしっかりとつきました。
3日後はついに田植えです。
2020年6月17日 田植え
「おはようございます!」
朝、田んぼに子どもたちの声が響きました。晴れ時々曇り、田植えにはちょうどいい気候です。子どもたちの目の前には、3日前に付けた碁盤の目がしっかりと広がっています。
事前に高知県幡多農業振興センターの職員から、田植えの仕方についてレクチャーを受けます。1株に植える苗の本数、苗の持ち方、そして田んぼへの植え方。実演して見せる職員の手元に子どもたちの真剣な目線が集まります。
しっかりとやり方を確認した後、田んぼの畔に1列に並び、一斉に泥の中に足を踏み入れました。跡付けの線が十字に交わるところを目印に順々に苗を植えていくも、泥に足をとられたり、その勢いで目印をうっかり踏み消してしまったり。途中で手持ちの苗株がなくなると、畔にいる大人たちから新しい苗株を投げてもらいます。
「苗がなくなりました」
「よし、投げるけん上手にキャッチしてよ」
これが意外と難しく、どちらかの手元が狂うたびに泥が跳ね、悲鳴の混じった笑いが響きます。高知県幡多農業振興センターの職員のほか、地元の農事組合法人「入田村」のみなさんの力も借りながら、約1時間かけてすべての苗を植えることができました。
2020年9月11日 お米の授業(2)
稲の穂が出始めて、田んぼの色も緑色から黄金色に変わる頃。稲刈りに備え、お米についての知識をさらに深めるべく2回目の授業が行われました。
今回も高知県幡多農業振興センターの職員から、主にお米の病気や害虫、獣害の対策について学びました。自分たちの育てたお米を無事に収穫するため、どのような病気があるのか、どうしたら防げるのかなど真剣に話を聞きます。また、農薬についての話の中では、使える種類や回数が決められていることも知りました。
実際に自分たちの田んぼにいたというカメムシ(害虫)を見ながら、「まだ農薬をまくことはできるんですか?」という質問も。ウンカ被害が出始めたというニュースもあったことから、子どもたちは自分たちの田んぼを守りたい気持ちでいっぱいのようでした。
2020年10月2日 稲刈り
まだ少し暑さの残る中、長靴をはいた子どもたちが続々と田んぼにやってきました。待ちに待った収穫の時です。手のひらに収まるほどだった苗は、子どもたちの腰ほどの高さにまで大きくなっています。
全部を手刈りするのは大変なので、「入田村」の方が最初に四方を大きなコンバインで刈っていきます。すごいスピードで稲を刈っていくコンバインに、思わず
「そんなにたくさん刈られたら僕たちの刈る分がなくなる!」
「もういい、ストップ!」
という声も上がっていました。
鎌の使い方や2人1組での作業の仕方を高知県幡多農業振興センターの職員から習い、いよいよ稲刈りを開始。1株1株しっかり握って鎌をあてていくも、大人たちのお手本のようには上手くいかず苦戦。しかしそれも楽しみのひとつです。刈った稲を両手いっぱいに抱えて、子どもたちは嬉しそうでした。
30分ほどで稲刈りを切り上げ、刈った稲をコンバインへ運んで脱穀します。一度にたくさん運ぼうとするあまり稲を落とすこともありましたが、「1株分がお茶碗1杯分」と習っていた子どもたちは、落とした稲も丁寧に拾い集めて運んでいました。
子どもたちでは刈り切れなかった残りの稲は、その後コンバインがきれいに刈り取りました。このお米をこの後どう活用していくか、皆で考えていきます。