5月29日(日)、幸徳秋水の刑死百年を記念したシンポジウム「大逆事件百年の現代的意義」が市立文化センターで開催されました。

 

 


  

取材・撮影:2011/5/29


  当日は、台風が直撃した影響により、予定していたパネリスト1名が欠席されましたが、桜美林大学教授の早野透さん、ノンフィクション作家の田中伸尚さん、市場経済研究所会長の鍋島高明さんの3人が講演を行いました。

  登壇した3人のジャーナリストは、それぞれの視点から秋水の先見性や勇気をたたえるとともに、現在も繰り返される国家権力の横暴や冤罪事件に言及しました。
  そして、その延長線上にあるものが現在、未曾有の被害をもたらしている福島第一原発であると指摘。国策に安易に追従することの危険性を訴え、「国家犯罪や国家主導、それを推し進めてしまったジャーナリズムの責任。大逆事件の構造は百年後の今も残っている」などと意見を述べられました。

 早野さんは、「明治時代、秋水が訴えた社会主義、無政府主義は、よく読み返してみると、今では当たり前の考え方である。自由、平等、博愛、そして戦争の禁絶。それは、戦後にできた日本国憲法の内容と同じである。よく、米国から与えられたかのように言われる憲法だが、秋水らの血の犠牲により勝ち取ったものと言っていいのではないか」と指摘しました。

 田中さんは、「事件が社会的に冤罪なのは明らかなのに、法的には被害者は死後も大逆犯のまま。だから国家は謝罪する理由がない。真実を獲得するために司法で道筋をつくる必要がある」と述べました。

 鍋島さんは「当時の言論界をリードした人物。「龍馬の後は秋水」とまでは言わないが、「秋水と中江兆民と黒岩涙香」とは言えるだろう。いつまでも龍馬頼みでなく、これら言論の先人を顕彰し、地域おこしに活用してもらいたい」と再評価に期待を寄せました。

 その後、秋水の家族や秋水の再評価の動きなどについて、会場から意見や質問が相次いで、時間いっぱい白熱した議論が続きました。

 最後に、コーディネーターの「大逆事件の真実を明らかにする会」事務局長の山泉進・明治大学副学長が、「かなり踏み込んだ議論ができ、想像以上のシンポジウムとなった。秋水の地元だからこそできたのだと思う」と締めくくり、シンポジウムを終了しました。

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