平成17年8月28日(日)と9月25日(日)、「環境保護実践講座〜四万十川流域の薬用植物巡り」が行われました。

 


 8月28日の第1回は四万十市トンボ自然公園と森沢周辺でした。悪天候のため一週間延期での開催にもかかわらず、29名もの参加がありました。

 9月25日の第2回は梼原町大野ケ原でした。写真は第2回のものです。ご覧のように見事な秋晴れの一日でした。

 今回の講座は、講師の四万十市立中医学研究所薬剤師、柏岡珠美さん、三枝晃子さんの説明により、身近にある薬用植物、その薬効、生育環境について、学習しました。参加者は熱心にメモをとったり、質問したりして、実際に植物を観察しました。

 10月30日に第3回が予定されています。詳細はこちらをご覧ください。


  ここからは第1回で学んだ植物を紹介します。

●クチナシ

 里山で普通に見られ、花の香りが良いことから、庭植えにもされます。生薬名は、「山梔子(さんしし)」といい、消化器系疾患や不眠症に効果があります。

●クララ

 しゃれた名前から植物に関心を持つと、まず探してみたくなる植物です。生薬名は、「苦参(くじん)」といい、抗炎症、利尿作用があります。
 注意しなければならないのは、この植物は、有毒植物ということです。つまり毒成分を薬用として利用する訳です。このような例は多くあり、必ずしも薬用植物=薬草ではなく、薬用植物=毒草の場合があることを注意する必要があります。

●リョウブ

 中医学では用いられてないようですが、以前から薬用植物としてよく知られた植物です。ガンや風邪の予防、精神安定の効果があります。

●ヒシ

 池や沼に生える水生植物です。名は、実の形により、滋養強壮、健胃、消化促進の効果があります。

●ウツボグサ

 春に堤防などで、紫色の花が一面に咲いているのをよく見かけます。生薬名は、「夏枯草(かごそう)」といい、抗炎症、腫れ物に効果があります。

●ハス

 観賞用、あるいはレンコン採取のため、よく栽されます。生薬名は、「蓮肉(れんにく)(実)」といい、健胃、整腸の効果があります。

●ミソハギ

 水湿地に生え、お盆の頃、赤紫色の鮮やかな花が咲きます。生薬名は、「千屈菜(せんくつさい)」といい、細菌性の下痢に効果があります。

●コウホネ

 池や沼に生える水生植物で、絶滅危惧種に選定されています。
 生薬名は、「川骨(せんこつ)」といい、血流改善、利尿作用の効果があります。

●ガマ

 池や沼、水湿地に生えます。名は、アムタイ語で葦を意味する「カマ」に由来すると言われています。生薬名は、「蒲黄(ほうおう)」といい、利尿作用、また外傷に効果があります。

●カワミドリ

 主に冷涼な湿地に生じます。トンボ公園のものは、東津野村船戸産の個体から実生苗を作り、植栽したものです。生薬名は、「霍香(かっこう)」といい、夏ばて、頭痛、嘔吐、下痢に効果があります。

●ヒメオトギリ

 水湿地に生え、オトギリソウと比べ、花、葉とも小さく、全体に細い感じがします。生薬名は、「小連翹(しょうれんぎょう)」といい、リューマチや外傷に効果があります。

●イノコズチ

 秋に種子が衣服にくっつき、嫌がられる植物です。生薬名は、「午膝(ごしつ)」といい、むくみやリューマチに効果があります。

●イワタバコ

 生薬というより、山菜としてよく知られた植物です。観察途中、群生地があり、花も見られました。

●オオバチドメ

 チドメグサと比べ、やや深い山に見られます。止血作用があることから、この名があります。

●クサギ

 伐採跡地、掘削地などに真っ先に生える「先駆樹(パイオニア種)」の1種。全体に、醤油ラーメンのような独特の臭気があります。生薬名は、「臭梧桐(しゅうごとう)」といい、血圧降下、鎮痛の効果があります。

●サルトリイバラ

 この辺りでは、葉が、「しばもち」に使われます。トゲのあるつる性植物で、生薬名は、「山帰来(さんきらい)」といい、腫れ物、出き物に効果があります。

●レモンエゴマ

 中医学では用いられてないようですが、日本在来のハーブ。手で揉むと、レモンそっくりの大変良い香りがします。一年草であるがゆえ、個体数の増減の著しい植物です。効能については、これから成分抽出、分析する予定です。

●カラスウリ

 山地に生え、他の植物に巻きつく、つる植物です。白いレース状の花弁は目を引きます。生薬名は、「瓜呂根(かろこん)」、「か桜仁(かろうにん)」といい、咳、痰、便秘、腫れ物に効果があります。

●センブリ

 よく知られた薬草ですが、生育地の減少が著しい植物です。小さな植物であるため、開花期以外ではなかなか見つけにくく、また他種との競合にも弱い植物です。生薬名は、「当薬(とうやく)」といい、健胃、消化不良、食欲不振に効果があります。

●ヒメミヤマスミレ

 薬用植物ではありませんが、センブリの自生地近くで見かけました。深山に生えるスミレで、森沢という市街地から近距離の場所に自生しているというのは、分布上、貴重です。


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