環境保護実践講座
「竹屋敷植物学習会」

 9月6日に、中村市竹屋敷堂ケ森山麓にて、生涯学習課事業の「環境保護実践講座」を行いました。当日は、あいにく時折雨の降る天候でしたが、蕨岡中学校3年生9名、教諭1名、一般参加者6名の計16名の方々が参加されました。

取材・撮影:2004/9/6


 堂ケ森は、標高が857mあり、中村市内で最も高い山です。中村市の植生は、シイ、カシ林などにより構成される常緑広葉樹林帯に含まれます。しかし中腹(標高500m)以上には、ミズメ、ウリハダカエデ、イタヤカエデ、ハリギリ、アカシデ、オタカラコウ、アオテンナンショウなど、標高のやや高い場所で見られる植物が多く、植物観察に適した場所であり、中村市の植生として注目すべき場所でもあります。

 植物は全種が環境の指標になります。水質ばかりでなく、農薬汚染の有無、更に地質まで推測することが出来ます。参加者は観察を通じて、自然環境の現状と良好な自然環境を維持するためにはどうすれば良いのか、学習しました。

●イワタバコ群生地観察
 個体数にして、100あるいは1000単位もある見事な群落です。

イワタバコ(イワタバコ科)
 空中湿度の高い岩場に自生します。その場所の水がきれいであることがわかります。


●レモンエゴマ(シソ科)の観察
 葉をこするとレモンのような良い香りがします。当日観察した植物の中で、最も人気の高かった植物です。1年草なので、結実前に刈らないよう、目印をつけました。

●チャボホトトギスの観察

チャボホトトギス(ユリ科)
 東海以西〜紀伊半島〜四国〜九州の太平洋側にのみ分布する「そはやき植物」の1種です。分布域が狭く、固有性の高い植物です。山地の林縁に自生します。


●ハリギリ(ウコギ科)の観察
 この日、雨で実物を見れなかったハリギリをあらかじめ用意していた鉢植えで説明しました。葉は掌状でカエデに似ていますが、トゲがあるので注意が必要です。

●オニイタヤ(カエデ科)の観察
 葉の形はイタヤカエデに似ていますが、葉の裏に毛があることで区別出来ます。
 植物は、図鑑などで暗記して覚えるものではなく、実際に触ったり、匂いを嗅いだりして、身体で覚えることが大事です。

●ミズメ(カバノキ科)観察
 樹皮はヤマザクラに似ています。2枚ずつ葉が互生するのが特徴です。サロメチールを含み、樹皮を剥ぐとサロンパスの香りがします。標高500m以上の場所で、サクラの樹皮に似た木を見つけたら、ためしてみてください。

●イタヤカエデ(カエデ科)の観察
 カエデの仲間はいかにも和風ですが、本種には鋸歯が無く、モミジバフウやプラタナスに似た、洋風なカエデです。



 後日、蕨岡中学校3年生より感想文が届き、全員がレモンエゴマを取り上げていました。香りがよほど印象に残ったようです。最初から希少植物ばかりに着眼せず、植物に関心を持ってもらうことを最優先に考えれば、例えば、ニオイタチツボスミレ、ハマゴウ、タニジャコウソウ、カワミドリ、ナギナタコウジュなど、香りに特徴のある植物は効果的な導入材料であることがわかります。

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