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人権コラム(令和元年12月号広報掲載)
人権さまざま 171
日本列島は大海原のど真ん中に浮かぶ島国。360度さえぎるもののない場所に在ります。古事記をよむと、「初めて地上に現れた神様が杖をもってできたての宇宙をかき混ぜその先から落ちるしずくが島になった」と書かれています。見渡す限り無防備な状況におかれた小さなちいさな陸地です。
さまざまな特徴をもっていることはご承知でしょうが、防備なしに暮らせることは不可能です。軍部旺盛の時代には大陸や他人の国を防波堤にしようとたくらんだばっかりに敗戦でなにもかも失いました。
いま最重要課題は防災です。なかでも地球の「温暖化」へのこころくばりです。海水温がわずか1度上昇しただけで地球は一変します。地球をこれ以上暑くしてはならないのです。化石燃料を使わないこと、二酸化炭素を出さないことです。
でも、それを全部止めてしまうとわが国は生き残れないとの意見もあって大きな努力目標でもあります。一説には地球が暑くなったのは地球自体の自然の変動で、人間ではどうしようもないという学者もいて、どれがホントウか私には分かりません。
そんな列島でのんびり議論している暇もないくらい台風が押し寄せます。今年だけでも20回、そのたびごとに地獄の苦しみを味わい19号台風被害の全貌は今もつかめておりません。千曲川、阿武隈川など詩歌にもうたわれた風光明媚な地域が、堤防をズタズタにされ水浸しになりました。過去の河川対策を疑いたくなるほどです。堤防は必要不可欠のもので最後まで地域を守り抜くを使命としています。
しかし点検を怠ってはならない存在でもあります。やり方にまちがいはなかったのでしょうか。
ふわふわ漂うクラゲのような日本列島。せめて百年間安心の行政をお願いしたいものです。テレビ画面に一喜一憂するだけで無力な老人私でも、みるたびにいても立っても居られない気持です。国は激甚災害にあてるそうですが死者たちはもどりません。どんな事態になっても自分自身で考えること。危険を感じたら一刻も早く逃げだすこと。常日頃からまさかのことを念頭に地域社会を作っておかねばなりません。
四万十も暴れ川、土佐沖は震源地。災害の来るを覚悟し市民総力で立ち向かいましょう。
四万十市人権啓発講師
山本 衞