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人権コラム(令和2年2月号広報掲載)

更新日:2021年12月22日更新 印刷ページ表示

人権さまざま 173

 今年も記念に何かいい本に巡りあえないかと、ぼんやり※あさイチをみていました。するとゲストとして「ブレイディみかこ」という女性が招待されていました。初めての人で『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』という書名のエッセイを書いた人と紹介されました。おもしろそうなのであさイチにずっとつきあいました。

 保育士・ライターでコラムニスト。1965年福岡市生まれ、音楽好きで渡英し、ロンドンの日系企業に数年間勤務したのち保育士資格を取得。「最低保育所」で働きながら文を書き、数多くの著書にドキュメント賞も受賞しているとのこと。

 一家は息子が中学生になって、選んだ学校が今までのエリート校区ではなく、一般的に、「荒れている地域」に居住し、白人の夫と共に男の子を育てながら、親も子も夫婦も成長していく姿が、楽しいエピソードをともなって語られていました。

 さっそく市内の書店に駆けつけ運よく売れ残りの一冊を求めました。ともかくおもしろい。数々のエピソードは、神の声のような多くの格言にあふれ、半日かけ一気に読了しました。

 現役子育ての方々にぜひとも読んでほしいものと思いました。

 『―優等生の「ぼく」が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜのイカした中学校。ただでさえ思春期ってやつなのに、毎日が事件の連続だ。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時にはギスギスしたり、何が正しいのか、正しければ何でもいいのか。生きていくうえで本当に大切なことは何か、思春期真っ直中の息子を中心にした一家の共に考え悩み乗り越えていく三人家族の親子成長物語』と本の帯広告には書かれています。「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は息子がまだ幼かったときノートにメモしていたものからとった書名だといいます。が、新しい中学生になってからは、ブルーがグリーンに変わったそうです。わけは環境問題への関心からグリーンに興味を覚えるようになったからといいます。

 これからもこの色は変わっていくだろう。子どもというやつは変わり続けるに違いない、本の最終行を著者は、そのように締めくくっています。

※あさイチ…テレビ番組

四万十市人権啓発講師
山本 衞