広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成30年11月号 

★人権さまざま★ 160

   民主主義の世の中は「多数決」が原則です。しかしながら、多数決の原則が通用しないのが「人権」でもあります。
 
 政治のみならず、より多くの仲間を集め、数を頼んで自分の思いを遂げようとするのが通常の世の中ですが、それを押し通そうとすれば少数者の意見を通せる場は全くなくなり少数意見は埒外(らちがい)に抛擲(ほうてき)されるのが必然となります。
 
 わずか一人の存在でも無視してはならないと考える人権社会は「オレとオマエは同じではないが、オレはオマエの意見や生き方を全面的に尊重する」、というのが、現代社会には重要な心がまえであるわけです。
 
 最近、特に少数者を名乗って自己を表現している人々の中に、LGBTとよばれる人たちがいます。性的少数者といいかえられてもいますが、私をはじめ超高齢者には余りなじみのない表現なので、何のことやらさっぱりという方も多いかとも思います。でもこれは性の考え方にそれぞれ異なる考えをもっている人たちの、それぞれの頭文字をとってくっつけてできた言葉です。念のため解読すると、L=レズビアン(女性同性愛者)、G=ゲイ(男性同性愛者)、B=バイセクシャル(両性愛者)、T=トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)のことです。
 
 昔からいわれている、いわゆる男と女の分類ではおさまりきれない人のことを、このような新語で表現しているのです。
 
 昔なら「アイツは前から変わっているよなあ」と、一言でかたづけられていた人々であったかもしれないのです。今はどのような体つきでどのような心をもっていても、一人の人間として尊重されなければならない時代でもあるわけです。同性愛のカップルを夫婦同等だと認める制度を東京都渋谷区が2015年に導入して以来、全国の自治体にも広がりつつあります。LGBTを支援する企業も出始めているとも聞きます。
 
 そんな時衆院議員の一人が、LGBTへの行政支援が「度が過ぎる」と非難し、おまけに「彼らは子どもを作らず生産性がない」などと優生思想丸出しの理論を展開し、物議を醸(かも)していますが今は通用しません。
 
 四万十市では数年前から公文書の性別欄を廃止しているといいます。これが新時代の在り方ではないでしょうか。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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