広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成30年8月号 

★人権さまざま★ 158

   2000年4月からこの欄を担当させていただきました。
 
 その頃人権問題といえば同和問題が主流で、差別からの解放が国民的課題と言われていました。及ばずながら私もその一端を支えて頑張ったものでした。賛否の両者からは手厳しい反発にも何度か出合いました。
 
 しかしながら、そんなことで問題を放棄するわけにはいきません。日々がたたかいのような学校現場を過ごしてきました。
 
 社会教育担当となり、幡多教育事務所に勤務しました。同和教育は学校と社会教育それぞれに専門教員がいて、私の出る幕はありませんでした。担当が多忙の時だけ加勢する程度でしたので殊更に人権を言葉にしなくてもよい立場でもありました。担当領域は、子ども会、青年団、婦人会、高齢者、PTA等の学習の手助けでした。とはいっても同和問題を知らずして教育は語れない時代でもあり、日夜研鑽を怠らないよう心がけてきました。校長時代には文部省から同和教育研究指定校とされ、数年間研究と実践を重ねました。
 
 退職後、中村市役所の人権担当から(人権課はまだ誕生せず)この欄の執筆を依頼されました。『私の同和問題』を少しずつ書けばいいのかなと安心して?引き受けましたが……。
 
 その直後に市の方針が変わります。同和問題のみならず、他の分野でも人権が阻害されている人々も多いとの考えが提唱され、話題を広げなくてはならなくなりました。高齢者、女性、子ども、障害者、HIV、ハンセン病者、外国人などと、より広汎な問題でこの欄を埋めていくことになり、いわば全世界の人権問題を視野に論評することになりました。
 
 間口は開かれましたが、ものの本質や視点の当て方など独自性の開発要請に、私の肩は毎号ギシギシ音たてて軋みました。
 
 政治からの中立性を保ちながら、固い法律用語や常套的表現の使用でなく、感動的な読み物に……と、願いは簡単でも成果は中々に困難を伴います。
 
 楽しい発表機関でもありましたが、書いても書いても問題は次々と私をあざわらうかのように押し寄せてまいります。
 
 ここら辺で新進気鋭の書き手にご登場願って、紙面の刷新をしてほしいものと強く希望しているところです。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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