広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成30年2月号 

★人権さまざま★ 154

   去る11月20日付高知新聞社説〈既に昨年となりましたが)を読んで私は少なからず驚きました。国連人権理事会の作業部会が日本の人権状況を審査し、二一八項目に及ぶ勧告をまとめたというのです。
 
 前回(2012)の審査と同様に、従軍慰安婦問題や福島原発事故後の住民支援の継続などが盛り込まれているといわれます。
 
 今回はその上に特定秘密保護法などで萎縮が指摘される「報道の自由」にも注文が付いています。日本の従来の見解とは大きく異なる課題や未解決のため積み重ねられてきている外交問題も含まれているとはいえ、国際社会の日本への評価であることにはちがいありません。
 
 男女格差や民族・人種差別、性的少数者(LGBT)の権利問題など、国際社会の人権意識は年々高まってきています。先進国といわれる国々には、高いレベルの人権問題が当然のように求められているのが現状です。政府も先延ばししたりわが国の方針にそぐわないなどの言い訳で通用する時代ではなくなってきているのです。日本ではまあまあで過ごせるかも知れないことを世界は厳しく見ているのです。政府も含め日本国民全体でこの勧告に真摯に向き合う必要があると高知新聞も力説しています。ことに新聞社らしく「報道の自由」については容赦なくこの勧告を強く支持する考えを強調されています。新聞やテレビはおもしろければそれでいいといわれる向きもあるかと思いますがとんでもないことなのです。
 
 あの戦時中の「大本営発表」というほとんど嘘っぱちだった戦況報道を真に受けていた時代を思い出してください。(そのことを実際に知っている者たちも大半は平均寿命を超えようとしています。)どの統計をみても、日本人の人権意識は年々下がり続けています。永年このことに係わってきた私など恥ずかしさでいっぱいの気分です。
 
 勧告も今回で3度目で、最初は26項目だけでしたが今年はその一〇倍ちかくにも膨れあがっています。絶対的な義務を伴うものでは無いものだとはいいますが、だからといって全てを無視することは世界に胸張って生きられる日本国とはいえません。後ろ指をさされない国作りをと年末年始の間ずっと考えさせられた高知新聞記事でした。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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