広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成28年6月号 

★人権さまざま★ 134

   人権の最大の敵は何といっても戦争です。戦争は一人一人の人権なんて木っ端みじんにしてしまいます。戦争は人を殺すための兵器を使います。兵器の中でも最大の悪は原子爆弾です。

 世界で最初に犠牲となったのは広島、長崎であることは世界中知らない人はありません。

 やったのは当時わが国の戦争相手だったアメリカです。この原爆投下には今も様々な評価が与えられていて、あれで戦争終結が早まったという説と、大戦中の最大の戦争犯罪だという説とがあります。

 世界はいまだに両方の説の間で揺れ動いています。中でもアメリカは原爆正当化説が大きく、あれから70年余も経たというのに頭を下げることを潔しとしていません。4月23日付け高知新聞によると、5月に予定されている伊勢志摩サミットに出席予定のオバマ大統領が広島を訪問するというトップ記事が伝えられました。大決断と言えます。しかしながら大統領就任直後に、ノーベル平和賞受賞のオバマ氏であってみれば、早すぎる決断だとは言えそうにありません。早いか遅いか「政治的判断」は私に出来ることではありません。(この原稿が読まれるのはサミット終了後ですからその頃は決着がついているはずです)、これ以上の発言は今は控えるべきでしょう。

 1945年7月16日午前5時29分45秒、米国ニューメキシコ州の山中で、最初の「原爆実験」が行われました。広島投下の僅か20日ほど前のことでした。

 台地は眩いばかりの閃光で溢れ、「千の太陽よりも明るい」と表現されました。次にやってきたのが凄まじい爆発音と爆風。人類が初めて体験する原爆の威力でした。これが人殺しに使用されると知っていた科学者達は心に何の痛みもなかったのでしょうか。

 闇雲に実行に移された背景には、日本との戦争を終わらせるというより、既に進行しつつあった対ソ連作戦の一環だったというのが定説となっています。日本はとっくに降伏を認めていたのだといいます。その時以来、原爆の恐ろしさをいやというほど分かっているはずの地球人達は、より破壊力を求め、狂ったように原爆実験に邁進します。  

(この項は次号に続く)
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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