広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成28年2月号 

★人権さまざま★ 130

   「人権とは何か」ということを、もう一度私自身に問い直しています。人権だと銘を打てば全て、1+1=2と万人が納得するものだと思ってきましたが、どうやらそれは違うということを、また改めて気付かせられてしまったからです。

 暮れも押し迫った12月16日、最高裁は人権問題に二つの判決を下しました。画期的ともいえるし、未解決のままだとも評価できる問題でもあります。

 一つは「女性にだけ再婚を6ヵ月禁じた民法の規定は憲法違反だ」というものです。百日を超える禁止は、子の父の推定が重複するのを避けるために必要ではなく過剰な制約であり、直ちに改善されるべきだと断定しています。現代の科学では、子どもの父親が誰であるかは(DNA鑑定で)直ちに解るといわれています。それ故の現実を踏まえた判決だと大半の人が納得するものと思います。

 もう一つの判決は、夫婦別姓の問題です。この問題は、「一家の中で夫婦別姓はまかりならない」と判断されました。

 少子化の進行する現在、年頃の子どもの結婚は、長男・長女同士で結ばれることも多く、その際いずれの姓を名乗るかは今までも自由であり、制約はないはずです。しかしながら、実際には、男性の苗字を名乗ることが多い(96%)とききます。

 どちらでもいいといわれながらこれでは女性側の家族に多くの不満が残ることになり、別姓のままで家庭を営むことができれば、結婚によっての権利侵害はなくなるのだと、訴えた裁判でした。その結果、訴えは退けられてしまいました。しかも、判決に当たっては裁判官全員の意志ではなく、全15人中5人もの反対があったと伝えられました。人権問題は多数決ではないはずですから、判決への不満は解消されないままの人達が残ってしまいました。プロの裁判官でさえ、賛否両論ある苗字での人権は、国や社会が一方的に決めてしまえる問題ではないと、(女の子しか育てられなかった私も)以前から思っていましたので、いささか失望でした。

 市民一人一人が、自分のこととして真剣に問いかけながら決めた人権問題を、保障してくれる国や社会の在り方を願うことは問題ありなのでしょうか。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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