広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成27年11月号 

★人権さまざま★ 127

   日本開催予定の国際オリンピック・パラリンピックのエンブレム(象徴的文様)が問題となり、新しいデザインが現在考慮中とのことです。問題を、未然に防いだのはよかったのかなと、門外漢ながら私も、すこし安心したことでした。

 デザインや絵画などには全く才能のない私ですが、気になっていることがひとつあります。

 それは色彩のことです。最近は印刷技術の著しい進歩により、身の周りには鮮やかな彩が溢れる世の中になりました。

 華やかで、明るくて、まさに平和の象徴ともいうべきでしょうか。しかしながらそんな中に色彩を明確に理解できない人たちがいるとしたら、この華やかさも喜びが半減されるのではないかと心配するからです。

  「色盲」とよばれてきた人たちがいます。聞くところによると、色彩弱者とか、色彩障害という熟語では、この人たちを理解したことにはならないそうです。私自身も「盲」という漢字の印象から差別語ではないかと疑ったことがありました。「文盲」という言葉は人格を傷つけると聞かされていたからです。

 ところが色盲には今のところ適当な言い方が見当たらないといわれます。

 私たちの経験する色は全て、赤、青、緑の3色から成り立っていますが、この人たちはそのうちの一つの感覚が弱かったり、無いことによって、異なる色彩感覚があり、日本では男性の5%、女性の0.2%の人々に、その特性があるとの統計があります。(外国はもっと多い国もあります)。このような特性の人は一部の色が区別しづらいだけで、日常生活への影響は限られているにもかかわらず、曽ては、多くの職場や教育機関から、門戸を閉ざされてきました。

 一九九三年以降、全ての国立大学から入学制限が撤廃され、教員採用制限も外されました。

 弱者でも障害でもなく、多くは遺伝によって受け継いだものであり、いわば血液型のように生涯その特性は消えないもの、その人の掛け替えのない個性と言っていいものなのです。そんな人の存在に、ちょっとだけ心を配り、やたらに色彩を複雑化した文書や配布物は考慮すべきではないかと考えます。大会のエンブレムも、広告も、みんなが心から楽しめる色彩の図案になればうれしいですね。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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