広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成27年8月号 

★人権さまざま★ 124

   人権を守ることとは賛同者がただの一人も存在していなくても、安心して生きていく権利を保障するものであることはいうまでもありません。

 多数決が原則の民主主義ですが、人権に限って言えば、その原理は当てはまらないともいえそうです。社会に置き去りにされてしまったような極めて少数派〈マイノリティー〉の人々に光をあてることでもあります。

 そんな少数派の人々が世界には数多く存在しています。中でもいま注目されているのが、「同性同士の結婚問題」です。

 以前なら「普通」ではないとそっぽを向かれるか、変な人物だとまで陰口を言われたこともあったのが、この人達です。

 私たちの社会は、「異性愛」が前提で男女問題を考えてきました。さまざまな社会的な制度もそのことだけを想定して組み立てられています。しかし実際には、その人が男か女か区別のつかない人々も存在しているのです。同性に心魅かれたり肉体的な愛を感じたりする人が、多くいることに「ふつうの人たち」も気づかされもしました。

 「これが普通」で「こうあるべきだ」と言われてきた「性のあり方」に、該当しない人たちを「セクシャル・マイノリティー」と表現されています。

 生物学的にオスであるかメスであるかということは、個人の意志ではどうすることもできない問題であり、個人の尊厳に根本的に関わることとして、一人一人に目を向けていく姿勢が大切だと理解もされるようになってきています。

 それでも全世界から公認されるにはまだまだ遙かな存在でもあります。アイルランドのように憲法改正までして認めた国もあれば、カトリック総本山のバチカンでは「神の意志に反する行為」だとして認めない宗教も存在しています。議論のある中で、渋谷区の長谷部健区長が、「同性カップルを結婚に相当する関係だと認める証明書」を発行し、実質的な結婚として承認すると明言しています。オス同士で子育てするペンギンや同性での性行為が見られるボノボのような動物が自然界には一五〇〇種類も存在するそうです。

 6月26日、米連邦最高最判決は全米で同性婚が認められたと報道されました。心と体の自然という意味を考えなおしてみる機会にしたいと思っています。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

▲ Back
Copyright Shimanto-City Office All Rights Reserved