広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成26年10月号 

★人権さまざま★ 114

   この夏も、四万十市人権教育研究大会が開催されました。

 いつも期待している講演は「教育は熱と涙やで」と題して野口克海さん〔富田林市子ども教育広場代表〕と聞きました。

 どこかで聞いたことのある名前だが思い出せません。講師が登壇しました。自己紹介の挨拶で、(あっ、この先生!)すっかり忘れきっていたことを想い出すことになりました。

 昭和47年、山村の教育委員会で私は教職員の研修を担当することになりました。学校から外れ、馴れない大人相手の仕事は大変でした。

 その頃は、同和問題が国民的課題といわれ、一日も早い解決に全力を注ぐことが使命でもありました。すぐれた指導者に教えを乞いたいものと、先進地として名高い富田林市教育委員会に連絡をとり、富田林中学校の野口同和主任ならまちがいないと紹介され、十数名の教員と共にお邪魔をいたしました。

 学校で多くの示唆と指導を受けて、一同十分満足でしたが、目当ての「野口同和主任」には会えずじまいでした。説明をして下さる校長や副同和主任は「野口がいなくて」と何度も恐縮され私共も心にかかりながらも大阪
を後にしたことでした。

 その日、野口同和主任が不在だったのは、人里離れた山奥の「分校」とよぶ場所で、非行の生徒を伴い、24時間寝食を共にする実践に取り組んでいたからでした。(その会えなかった方が本日の講師だったのです)

 今回の講演でも、その子らとの格闘や触れ合いが話されました。今では彼らが地区の重鎮となって活躍しているとのこと。話の内容ももちろんながら、40数年ぶりの片恋が実った感激もあって、私はすっかり感動に浸りきりました。

 『教育とは「熱と涙」の出会い以外にはない。電話やケイタイではなく顔と顔を合わせて伝え合うこと。明日ではなく「今日行く」こと。好かれようと思うなこちらから好きになれ……』などと、忘れがたい言葉が心に沁みました。人生のタイミングからはちょっぴりずれてしまいましたが、この年の私でさえ、これからの目標になる数々の
名言でしたから、若い出席者には多大の感銘を与えたものと確信しています。
 (講演以外の会のようすは次号に続けます)。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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