広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成26年7月号 

★人権さまざま★ 111

   十人十色という言葉があります。島倉千代子さんのヒットソング「人生いろいろ」です。小泉元総理が国会での答弁にも引用して野党の追及をかわし、おもしろがられたこともありました。

 地球上何十億の人間がいても誰一人同じ人間はおりません。それぞれが、それぞれに、自分の願いや思いを、分かってもらわないことにはこの世はなりたってはいきません。一人ひとりが、「ひとり」に折り合いをつけるのが大切な社会です。

 ところが、全員が大満足で生きられない社会でもあります。「おんだらのこたぁだれっちゃにわかりゃぁせん」と始めから投げだしたり、黙り込んでしまうことも大ありです。言論の自由だとわかっていても、「まぁええか」、で終わってしまうと、何のためにこの世にやってきたのかわけがわかりません。

 黙っていることが美徳だという時代もありました。日本人の人格のお手本でもありました。おしゃべりは鼻つまみ者でもありました。中でも悪口や陰口がいい訳はありません。

 しかしながら、いうても叶わないことでも、いわねば誰にもわからず泣き寝入りに終わってしまいます。

 私は誰が見ても、「老人」です。だれでも見分けてくれますが、老人も全てが一律に老け込んだり不自由な体になるわけではありません。私は片方の耳が不自由ですが、他人にはなかなかわかってもらえません。そのため会合などで、「耳が不自由」であることをまず説明します。そうすれば、障害に気を配った運営をしてくれるのです。

 文学仲間にも障害者が何人かいます。「あなたは私にどうしてほしいですか」と前もって訊ねてもいます。車椅子の友人に、怖々と手を添えていたら「ボクはあなたにしてもらうより一人の方が楽」といわれて面食らった時もありました。

 よかれと思って先走るより、相手の言い分をよく聞くこと。それを「話してみること」です。その際、できれば面と面で向き合うこと。最近はメールとかいうもので伝える若者が多いようですが、メールでは胸にひびく名文を書くのは不可能です。複雑な話は電話でもダメです。

 時代遅れで、泥くさくても、機械に頼らず、人と人で繋がる地域こそが、今こそ大事な時代だと私は考えております。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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