広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成26年5月号 

★人権さまざま★ 109

   高齢者社会のすぐれた点は、人権問題の中の大切な分野である男女共同参画社会が実現可能となったということです。

 敗戦後の新憲法は「男女平等」の理念を大きく掲げました。

 それまでの社会では考えられなかった事柄でした。あれから70年、考え方は国の隅々まで伝わっていき、今ではそれを否定する者は誰一人いなくなったといってもいいと思います。

 しかしながら、実際の役割は明らかに違っていました。男は仕事、女は家庭が当然と考え、いつも家の片隅でおさんどんに従事する女性は少なくありませんでした。これでは平等とは名ばかりです。そのため新しい社会では、男女は共同参画しなくてはならないという考え方が生まれました。男性も育児に従事し炊事洗濯家事全般も受け持ち、女性も外で仕事をとの考えが大切となりました。が、事はそれほど簡単ではありません。

 そんなとき迎えた高齢者社会では家の中で連れ合いにばかりすがっては生きていけないことを悟ります。互いに支え合わなければ、老後を生き抜ける時代ではなくなったのです。若い時には考えもしなかった、夫婦で歩調をそろえる必要性をこの齢になって初めて理解することになるのです。こうした男女共同参画の理念を地でいけるようになったのも、高齢者になったおかげ、人権の最先端を生きていると言えないでしょうか。

 四点目は、生涯学習社会を実践できることです。生きていくことだけに精いっぱい、他のことには目を向ける余裕がなかった若い頃、俺のやりたいことは他にあるのだ、といいながらも、人生50年といわれた社会では手をつけられないままに終わってしまう一生でした。ところが、そんなことではこの世に別れることはなりません。定年後の20年〜40年が当たり前の世の中となり、今までやりたくてもできなかったことを新しく始めるための時間がたっぷりできました。高齢者社会の大きな利点だといえるのです。専門バカ、バッカリ人生、などと言われた時代にさようならです。

 第五点目は、実の子が老親の面倒をみることが当たり前といわれてきたわが国が、そんなことのできない時代へと変化しました。他人との協調・共生への転換です。

        以下次号へ
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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