広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成25年12月号 

★人権さまざま★ 104

   なにかおもしろい番組はないものかと、リモコンであちこち探していると、かならずどこかでやっているのが「食べ歩き」番組です。日本人の興味は食い物にしかないのでしょうか。

 日本は世界一の飽食民族とよばれています。「飢えの時代」を生きてきたものにとっては、夢のような国になったものだとほとほと感心もし呆れてもいるのが私たち老人世代です。

 腹いっぱい食べられることはいいとして、世界一の残飯王国だといわれては黙っているわけにはいきません。有り余る資源であるならまだしも、あらゆるものを輸入に頼らなくては生きていけないのが日本の現状です。それが分かっていながら、買った食品のほとんどをムダに捨てているとなると、とんでもない罪をつくっていることとなります。ゼッタイに放っておくわけにはまいりません。

 日本人は必要とする食物の 60%以上を輸入しています。国内生産分とあわせると6700万トンになる食糧の中から、2300万トン(3分の1)を捨てていると統計にでています。

 残飯の量は一人当たり171キロで、これはEU(ヨーロッパ連合国)の約4倍にもなっているそうです。一方で、世界の餓死者は1500万人もいて、東京都の人口をはるかに超えて、しかも、ほとんどが子どもです。

 家庭からの残飯量は1千万トンともいわれ、お金に換算すると年間11兆円にもなります。

 この額は日本全国の農水産業が生産している額とほぼ同じ量であり、その処理費用には2兆円もかけています。東京のホテルやレストランからだされるだけでも毎日6千トンもあり、これはアジアの人口約450万人の1日の食糧消費量と同じだといいます。

 こんな贅沢な食べ方のできるのは世界の中でも僅かに8%の人間だけで、あとの92%の人々が飢えて、1日3万5千人が餓死しています。

 こうした状況に頬被りして、捨て続ける民族でいいのでしょうか。冷蔵庫の中に買ったままで腐れかけた食品はないか。飯台に食べ残しはないか。あたりに目を配り、飢えている人々の身の上に心をくばってみようではありませんか。

 一口囓っては次の店にいく食べ歩き番組を腹立たしく見ているのは私だけなのでしょうか。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

▲ Back
Copyright Shimanto-City Office All Rights Reserved