広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成25年8月号 

★人権さまざま★ 100

   今日もまたいじめ問題が新聞に載っています。二〇〇〇年の四月からこの欄を担当して以来、記事にならない日は一日もないくらいです。それをテーマに何回か書いてもきました。

 人類は海から生まれ、ウオやヘビになったりした後に、サルとヒトに分かれたといいます。

 そのためかどうか分かりませんが、母親のお腹でもう一度、その進化の過程をたどって生れてくるともいわれています。

 他の動物と違い、二本足で歩くことをおぼえ、頭も躰も未成熟のまま、一年以上早く生まれ、成長には数年もかかり、教育の期間が二〇年以上も必要なのだそうです。

 親戚であるサル社会が『いじめ社会』の典型なのだと、京都大学の霊長類研究所のレポートで述べられています。

 ですから、人間もサルと同様、群れを作りイジメを得意とする動物ともいえます。群れの基本は家庭にあり、文字通りイジメの出発点ともなるはずです。

 ライバルとしての兄弟姉妹の優劣の比較で育てられ、保育園、小、中、高、大学と組織を外れて育つわけにはいきません。言い換えれば「人間とはイジメに打ち克って生き延びてきたサル」と表現することもできるのです。

 人間というサルが、組織を作り、そのシステムのもとに、他の動物の上に君臨し、力でのし上がってきた姿は、まさにサル社会とそっくりです。そこから弓矢や銃砲、そして原水爆までも生み出して、そのすばらしさとみにくさを展開してきたことはご存知の通りです。

 ボスザルに率いられて行動してのち、年老いてその座を失った、旧ボスザルの孤独の姿も、テレビなどでよく知られていますし、人間社会にも似た光景は、数多くみかけられます。

 個人に対する、しめつけとしてのイジメは、子どもの社会だけとは限りません。大人社会の中でも堂々とまかりとおっています。貧乏人と金持ち、身分の上下、正社員と臨時雇い・・・・・・、あげればキリがありません。イジメが完全になくなる社会は訪れそうもありません。油断をすればすぐサル以下に墜ちて行きます。人間になりたければ一日も、いや一刻も早く、サルから進化することこそが、人としての課題だということを忘れてはならないと思います。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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