広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成25年1月号 

★人権さまざま★ 93

   アメリカは、先の総選挙で、これからの四年間を、バラク・オバマ大統領に任せるという決定をいたしました。世界の模範となる大国にしてほしいものだと強く願っております。

 思いおこせば私どもの世代は生まれ落ちるとからの戦争でした。富国強兵や軍国主義は知っていても、人権も、民主主義も何一つ知らないままの中学生になりました。たった一つの旗印であった戦争に負けて、今まで全く知らなかった別の世界を知ることにもなりました。日本を占領してきたアメリカは地球上で最高の理想郷だと聞かされました。その国では、人は生まれながらにして平等で、老若男女の差別も無く、富める者も貧しい人も、最大限に尊重される世界だと教えられたのでした。

 かつては敵国だったことなどすっかり忘れ、花園のようなアメリカを胸にえがきながら青春時代を送ったことでした。

 ところが、そうではない面も多々あることがわかってきました。彼の国の歴史にも、多くの血塗られた暴力が存在し、あの奴隷解放の父リンカーン大統領でさえ兇弾に倒れたと聞きました。黒人といわれる人々への差別は想像を絶するものであるということも知りました。

 公民権運動の指導者キング牧師の暗殺、大統領ジョン・F・ケネディー、その弟のロバート・ケネディーも、揃って私たちの目の前で銃弾に倒されました。

 そんな後で、四年前、大統領選挙に黒人のオバマ氏が圧倒的支持を得て、有史以来初の黒人大統領となりました。人種差別や性差別と闘ってきたアメリカの、民主主義の勝利だと、世界は賞讃し、ノーベル平和賞にかがやく偉大な大統領という評価も与えられました。

 その四年間が過ぎ、次は駄目かもという噂もありましたが、これからもこの大統領の肩に、国の行く末を任せる決定となったわけでした。

 そのことの善し悪しは私どもには分かりませんが、銃を振りかざす国民の多い中にあって、米国民主主義の偉大さを垣間見た思いにもなったことでした。 米国の「本当の民主主義」を創りあげ、地上に恒久平和をもたらす政治力を、じっくりと見つめていこうと思っています。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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