広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成23年12月号 

★人権さまざま★ 80

   野田総理が就任にあたり、

  「私はどじょうです」
  「泥をかぶっても全力を尽くします」

 と挨拶し、がぜん人気が出てきたように思うのですがどうでしょうか。

  そのご決意をいつまでも忘れず、地震や津波、放射能で傷ついた日本国を建て直してほしいものと心底から願っています。 (因みに、漢字では「泥鰌」と書きます。現在の仮名遣いでは「どじょう」、昔は「どぢゃう」と書きました。料理のお店では「どぜう」と書いていますが、これは縁起を担いで作りだした書き方だと聞いています)

  実は、私も若かりし頃「魚」になりたいと心したことがありました。私のなりたかったのは「スカベンジャー・フィッシュ」とよばれている魚です。

  この魚は、熱帯魚を飼育しようとする際に、同じ水槽の中に、一緒に入れておく必要があるのだそうです。

  スカベンジャーとは掃除屋という意味で、熱帯魚の食べ残した餌がそのままだと腐敗がすすみ、水が汚れます。その防止策に入れておくと、水底にうずくまったままで余分な餌が落ちてくるのを辛抱強く待っている、まことに地味な魚だといいます。熱帯魚の代わりに浮き上がろうとしたり、華やかな泳ぎを披露したりせず、せっせと残飯の清掃につとめるのがこの魚の役割なのです。

「そうだ、オレも・・・・・・」この魚をみならってと、ガンバってみましたが、なかなかうまくはいきません。つい不必要に出しゃばってみたり、知ったかぶりをしたりして、表舞台に躍りでたがる自分にブレーキをかけるのがなかなか困難でした。

  こんなことから、人間はとても魚にはなれないもんだと気づきました。それでも、せめて家庭の中だけでも、スカベンジャー・フィッシュでいたいという思いは今もかわりありません。

  野田総理はどうでしょうか。首相なら、金魚どころか、どんな魚にだって変身できる能力も見識も、権力も、お持ち合わせの筈です。

  非才な私には不可能でしたが、初志を貫徹されて泥まみれで国政に邁進されんことを心よりお祈りするしだいです。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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