広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成23年9月号 

★人権さまざま★77

   「人権問題といえば黒人問題」といわれ続けてきたアメリカでいま、おおきな変化がおきているといわれています。

 この国の「黒人」と称される人々の多くは、アフリカ大陸から奴隷として運ばれ、家畜同様に売買され、客車や食堂、便所にいたるまで、白人とは区別されてきた歴史を辿ってきたことは、世界中の人々が周知していることと思います。ところが、現在のアメリカの若者たちに、その差別があまり通用しない時代になっているといいます。

 若者たちは大学で「君は何?」というゲームをするそうです。「君にはどのくらい混じっている?」と聞くと「私には確かに二つ混じっている」とこたえ、「mulatto(白黒混血児)?」と他の学生が質問する。

 かつてはムラートというこの言葉くらい屈辱的で差別的なものはありませんでした。しかしながら、多民族国家と称されているアメリカに、白も黒も混じりっけのない人はほとんど存在していません。そのうえ、あれほど「純粋」をいい続けてきた「白人」の世界が大きく様変わりをしてしまっているのです。

 白人若年層は一九九〇年代以来、出産可能な女性の減少に歯止めがかからなくなっています。代わって、ヒスパニック(スペイン語を話すラテン系住民)の成長がめざましく、アジア系、黒人系の人口が二〇〇九年までの10年間に、国内人口成長率の %をも示しているそうです。

 今や白人は「もはや少数派である」と統計学者は指摘しています。

 白人系の老化に伴い、異種の若者たちから、老後の世話を受けることになりました。今までのような人種差別が通用しないどころか、若者たちの間には、混血を誇りに思う風潮が増大しているのです。若者たちは胸を張って「混血を名乗ることこそ人間だ」との主張が世界を変えていこうとしているようです。「誰かが『君は黒人』と呼べば、『そうよ』というし、『白人?』と呼ばれてもかまわない。人々には権利があってなんでもいいわけじゃないけど。でも、社会が決めることではないわ。」

 ゲームに参加した学生の言葉です。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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