広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成23年8月号 

★人権さまざま★76

   3月28日版のニューヨーク・タイムズに、いま、繁栄に酔っている中国から、アメリカへ向かう「妊婦旅行団」というニュースが報じられています。

 カリフォルニアの都市サンガブリエルの路地の一郭に、妊娠した女性が大勢出入りしていると、住民からの通報があった。市役所の係と警官で調査すると、その建物には綺麗なベビーベッドが並べられ、数人の赤ちゃんにナースが目を配っていた。この館は、妊婦旅行団のホームだった、というのです。

 女性たちは中国から、数万ドルを支払って、子どもを産みにやって来る。合衆国で生まれた子は、自動的にアメリカ国籍が与えられることを目当てにしてのようです。女性たちはいかにも金持ちらしく、部屋も豪華で、壁に生まれて数日の「アメリカの赤ちゃん」を抱いた幸せな母さんの顔がいくつも飾られているそうです。

 アメリカ国内では、「合衆国で生まれた子に自動的に市民権を与えるという憲法の条項を廃棄せよ」という政治家の発言があり、その焦点は、ラテン・アメリカの貧しい国々からの不法移民の問題が背景にあるのです。ところが、「妊婦旅行団」の中国女性たちは裕福で、法的には「旅行ビザ」を持ち、なんらやましいところがないと係員は言っています。そして、その多くは、アメリカのベビーを連れて中国に帰ってしまっているというのです。それにしても、裕福な中国女性たちが、わが子にアメリカ市民権を何故持たせたがるのかというと専門家は、一種の保険投資とみています。

 子どもが二十一歳になれば、親たちも、アメリカの市民権が申請できるからだといいます。

 中国はそんなに住みにくいのでしょうか。いや、アメリカはそんなにも住みたい国なのでしょうか。

 日本では「愛国心」の議論があります。この中国女性たちの愛国心とはどんなものなのでしょうか。私は、特別な愛国心の持ち主とは思えませんが、なんだかんだ言っても、日本が一番住みたい国だと思っている程度の愛国心はあるのですが・・・・・・。

 *石原武(詩人)論文を参考。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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