広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成22年11月号 

★人権さまざま★67

   ケガレという表現を聞いたことがありますか。

 サベツの根元とも思われるケガレとは、一体どんなことをさしているのでしょうか。

 大雑把に分類すれば四領域で考えられると沖浦和光氏(桃山学院大名誉教授)は言います。

 第一は神話時代のケガレです。大昔の人々は大自然のはかり知れない力を神と考え、その破壊力と創造力という相反する事柄を神の仕業と思っていました。神々の領域を傷つけたり侵したりすることがケガレであり、その怒りに触れると祟りがあるとされてきました。

 その時代には、〈聖なるもの〉も〈ケガレ〉も神秘的な大自然がもたらす威力だと考えたのです。慶び事を「聖」、天変地異や死・病などの災厄が「ケガレ」とよばれました。

 この頃はまだ何もかも混沌とした時代で、〈神・人・獣〉も区別せず、ヘビ・トカゲ・ワニ・クマなどさまざまな動物を、わが一族の先祖とも考えていた集団がいました。 (獣肉を食することも当たり前であり、後述する「血のケガレ」などは考えの中にありませんでした)。

 時代が過ぎて、武力での、征服者と被征服者が生まれます。王を名乗る支配者が〈神〉を独占し、被支配者は俗界に生きるタダの〈人〉とされました。

 古事記や日本書紀に記された東北の「蝦夷」、九州の「熊襲・隼人」などが「化外の民」とよばれ、都(王)に楯突く野蛮人とされたのでした。

 第二は、安定している秩序を乱すかもしれないものたちを、ケガレの対象としました。

 外側から入ってきた異分子、どっちつかずのもの、中心から外れるもの、などがケガレの中に組み込まれていきました。

 障がい者差別の観念や皮膚の色の違い、文化の違う外国人などもこれに関連しているとみられます。

 第三は、ケガレは汚いものという考え方です。死、お産、女性の生理など。

 第四は、民俗行事の、「ハレ」と「ケ」の考え方です。

(次回は、第三、第四をもとにつづけて書くつもりです)
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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