広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成22年5月号 

★人権さまざま★61
   新年度が始まりました。背中いっぱいのランドセルに黄色いカバーをかけた一年生らしい姿をみつけ、ついほほ笑んでいる自分を発見しています。

 今年からは教科書も一だんと重くなり、学習内容も増えるとマスコミも伝えています。どうか、この子たちの前途が楽しく幸せなものであってほしいと、強く願っているのは、親や私ばかりではないと思います。

 最近の子どもたちの口ぐせの特徴に「無理」「できない」「あり得ない」などという否定的な言葉が多く聞かれるという調査結果がでています。自分というものを余り信用していない、言いかえると、自信のない自分の姿しか感じていないということのようですが、どうしてそんな子どもになったのでしょうか。

 それは、子どもたちが「できないこと」「足りない部分」だけに注目され、絶えず注意され、「だからダメなんだ」「もっと頑張れ」と叱咤激励ばかりを受けているせいではないかと考えられています。子どもはありのままの自分を認められて成長したかったのではないでしょうか。泣いても、笑っても「きみはいい子だよ」と、いつでも、誰からでも言ってもらえるように、育てられたかったのではないでしょうか。

 「とにかく、ボクの絵をほめてほしい」と、ある老画家が夫人にいつも頼んでいるそうです。甘えているのでも、欠点に目をふさいでいるのでもなく、自分の奥さんからほめてもらうことが一番有効であることを、この芸術家は知っているからだといいます。人は、きびしい批判で進歩するのではなく、なにごとも、ほめられてこそ伸びるのだと確信させられたことでした。
 
 春は人との出合いの季節でもあります。初めての人とうまくやれるかどうか、おとなでも戸惑いがちです。まわりの環境を整備すると、よくききますが、環境とは「自然環境」だけではありません。人と人との関係も環境です。「私」を取り巻く、私以外の人はもちろんのこと、「私と自分」との向き合い方もどうすればいいかを考えるのも、環境問題として大切です。この春は、みんなで人の在り方を考えてみてほしいものです。

 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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