広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成21年11月号 

★人権さまざま★55
   地震列島とまでいわれる日本でも関東大震災は未曾有の大惨事だったようです。大正一二(一九二三)年九月一日の事でした。

 死傷者20万2千436人、行方不明4万人を超えています。このことは決して忘れてはならないようにと、防災の日が設定され今日に至っています。そんな大地震に打ちのめされている最中、地震よりも怖ろしい流言飛語が被災地を駆け巡り、戒厳令までも発動されました。

 デマの内容は、「朝鮮人が火をつけた」「井戸に毒を流し込んだ」というもので、その頃多く在住していた朝鮮人に対し、官民一体で迫害を加え、虐殺にまで発展する大事件となりました。殺された人数は、今もってはっきりとはわかっていないのですが、七千人、いやそれ以上といわれています。

 加害者の中には、本来なら人々を救助する立場の人たちも多くいたといいます。もちろん、この者らは殺人罪に問われ刑を受けますが、間もなく、昭和天皇即位で恩赦釈放され、その後、世間からは英雄の如く扱われたといわれます。(『差別と日本人』より引用)

 当時、朝鮮半島は日本に併合され、日本国民同等とされていたはずなのに、目に余る差別が日常的でした。そのうえ日本人同士でも、知らない人をよそ者という意識で、疑いの目をむけることも多かった時代でもありました。

 大災害に加え、偽りの情報に振りまわされる本元にはいつも差別が存在するようです。

 近く、南海地震は確実にくるといわれています。デマではありません。冷静な判断力で、協力し、事に当たろうではありませんか。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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