広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成21年6月号 

★人権さまざま★50
   いきなり自分のことで恐縮ですが、今もときどき講演に招かれています。その際は全力で、何をどのようにわかってもらうかに心をくだきます。中には、初めての人や次回はお会いできない人も多くいるはずです。

 いつも一期一会の心で臨みますが、会場を後にするときはたとえようもないほどの疲労感におそわれます。わかってくれただろうか、理解を深めてくれただろうかと、反省ばかりしています。コミュニケーションの難しさを、いやというほど味わうのが講演のつらさです。

 人間は、他人とのコミュニケーションで、何を、どんな観点で受けとっているかというある調査結果があります。

 相手のメッセージを受けとる際、38%が言葉の抑揚とリズムから、55%は身振り手振り(姿勢、表情)からであり、残りの7%が言語(内容)だというのです。大部分(93%)の人々は話の中身よりも、他のことを見たり考えたりしながら話を聞いていると言うことになります。
「他人様には話の中身はそれほど重要ではなかったのだ」と考えるなら、講演でも気持ちが幾分かは楽ですが、気楽ではいられない人間関係があります。

 親子の関係です。子供たちは親の伝えてくれる意味や内容よりも、その場の雰囲気から親の本根に気がついています。
「なんちゃあ怒りよりゃあせん!」と怒鳴りながらいう親の本心を子供は知っています。

 逆に、どんなに言葉を飾り立てても真実は見抜かれているといえるのです。

 子供たちがかわいそうでならないときがあります。そんなことは「無理」「できない」を口癖にして簡単なことでもやってみようとはしない子がいるからです。彼らは常に「できないこと」「足りないこと」ばかりを指摘されて暮らしているのではないでしょうか。

 雰囲気とか、スキンシップなどが、言葉以上に多くの栄養剤をもっています。顔と心とおしゃべりがちぐはぐでは、信頼も理解も得られないことをこの調査は物語っていると思います。
 いつもまっすぐな自分でありたいと私も心しています。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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