広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成20年12月号 

★人権さまざま★44
   新聞でもテレビでも、連日、目を覆いたくなるような事件が後を絶ちません。中でも、平気で人の命を奪うという事があまりにも多いと思いませんか。親が子に手をかけ、子が親に刃物をつきつける、どうにもやりきれない事件が、簡単に行われていることに、呆然とさせられてしまいます。

 作家曾野綾子さんとアフリカ出身のムルアカさんがそのことをテーマに産経新聞で対談をしている記事を読みました。おふたりともそんな日本を大変心配しながら、教育の基本ともいうべき事柄を語りあっています。
 
 大人として、子供に教えなければならないことはキリがありませんが、幼いときから二つのことだけは叩き込んで欲しい。「殺すな」「盗むな」だと曾野さんはいっています。もし命を奪えば、自分の場合でも、他人の場合でも取り返しがつきません。盗みは人の労働を無にします。万引一つでもしたら勉強する価値、学校に行く資格は全くないと言い切っています。
 
 また、上野動物園の元園長中川さんの著書を引用して、『動物たちの社会では、自分の子供や家族を守るためには必死で行動する。猿を例にすれば、赤ん坊のとき、とにかく抱いて育てる。生長するに従い、目の届く範囲で子供がちょろちょろしているのを見ている。そしてある時期に完全に手を離す。(日本の親は)それをちっとも守らない。抱いていなければならないときには仕事に出るし、離さなければならないときは離さない』などと嘆かれています。
『かつて日本の良さだった弱い者に手を差しのべるという思いやりの心はどこへいったのでしょうか。今は弱い人が、弱い人をいじめて当たり前の風潮にみえている、アフリカの遊牧民は小さい時からナイフを腰に差し、布や木の枝を切り、ときには食べるための獣を殺す。そんな教育を受けて育つのだ』とムルアカさんも言っています。

 年間の自殺者三万人。逞しく生きることこそ人間の努め。そのために、小学生から農作業を体験させ、何らかの社会奉仕活動もさせなければならないとも述べているのですが、PTAは大賛成してくれるでしょうか。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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