広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成20年11月号 

★人権さまざま★43
   最近のテレビでは過去には考えられなかったような内容を目にすることがあります。驚くのは、男の子として育てられたのに女の子になってしまった若者の存在です。以前なら知られたくない個人の秘密としてどこか悲劇の主人公のようにもされていた人たちが多かった気がしますが、そんなことにとらわれることなく堂々と自分を告知された人たちの逞しさに心打たれるのです。

 心は女性なのに男性として生まれてきた(その逆も)多くの人たちは、自分の性に強い違和感を持ち、差別に苦しみながらの生活を余儀なくされてきたと思います。このように生物学的な性と心理上の性とが異なる人を「性同一性障害」と呼んでいます。統計上はおよそ、男性では3万人に1人、女性は10万人に1人の割合で存在するといわれ、日本でも2200人から7000人程度存在するのではないかとみられています。
 
性同一性障害は、WHOで定めた国際疾病分類にも掲載されており、治療を要する病気だと正式に認定されています。日本国内でも、1997年に治療のガイドラインが作成され、専門家の治療が原則的に行われています。1998年からはいわゆる性転換手術も行われるようになり、前述のカミングアウトも違和感なく行われ出したのではないかと思われます。
 
このように、医学の分野では目覚ましい進展がみられる中に法的には困った問題も存在していました。それは、性転換をしても、生まれたときに付けられた名前を簡単に変えることはできないということでした。

 2004年戸籍上の性別変更が可能になり、新たな性で婚姻や養子縁組もできるようになったのです。長い間社会的に不利益を受けてきた人たちの差別解消に向けた大きな前進といえましょう。一方、既に結婚し子どもをもつ人も多く、また、医療を受けるとしても身体的経済的に負担もかかります。今後も克服しなければならない点は多いのですが、この障害が病気であるという認識を広め、人としての平等に生きられる差別と偏見のない社会を目指さなくてはならないと思っています。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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