広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成20年9月号 

★人権さまざま★41
   昭和40年頃からの最要な教育課題は同和問題でした。国民的課題といわれて、人々の意識や環境整備も目ざましく進展が見られたことはいうまでもありません。しかしながらこの課題は完全に解決されたのでしょうか。(最近は余り意見を聞くこともなくなりました)

 国連の「国際人権規約」「人種差別撤廃条約」などを締結した国は、国内での状況に関する報告書を定期的に提出することが義務づけられています。日本政府の報告に対して履行監視委員会から、「部落問題の早期解決が求められている」との勧告が出されています。そして「日本の部落差別が人種差別撤廃条約第一条で定める『世系(descent)に基づく差別』である」ことを指摘し、差別に対する保護並びに市民的、政治的、経済的、社会的及び文化的権利の完全な享有を確保するようにといわれているのです(2001年)。続いて(2003年)女性差別撤廃委員会でも「日本におけるマイノリティー女性の教育、雇用、健康状態、受けている暴力に関する情報を提供せよ」との勧告もなされました。
 
 このように世界では、日本はまだまだ女性問題やマイノリティー(部落問題など)が未解決のままであるということになっているのです。中でも耳新しい言葉である「世系」という用語で勧告されていることに驚くと共に、なるほどと頷かされもしました。

 世系とは、血統や系統など、先祖から子孫へと受け継がれていることを示す言葉で、日本国憲法では「門地」にあたりますが門地では納まりきれない意味を持つので今後世界的に使われることになる表現です。(以前もこの欄で説明しました)「世系に基づく差別」「職業と世系に基づく差別」などとして、東南アジアに最も多く、中でもインドを中心とする国々に残るカースト制と結びつけられて語られています。インドのカースト制は五千年も以前から続く身分差別だといわれます。人々を四階層に区分した上、最下層の不可触賎民を作り、分裂支配を繰り返しているのです。日本の同和問題もそれと同じだと国連は認識しているのです。(次号へ)

 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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