広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成20年7月号 

★人権さまざま★39
   日本の飼いネコの多くがネコマンマを食べなくなった、また動物愛護の観点からも食べさせなくなったという話を聞き少々驚いています。
 以前なら犬も猫も家族と同じものを食べさせるのが普通でしたが、ペットフードのネコ缶が普及し、グルメなイヌネコになってしまったようです。そのネコ缶の大半はタイの国で作られていることをご存じでしょうか。
 日本は今世界中から魚を輸入していますから、ネコ缶がタイから来ていても別に何の不思議もないわけですが、そのためにタイの人々が大変なことになっているとしたら考えなくてはならないと思います。
 海国日本と言われているように、魚だけは日本近海での水揚げで賄えていると私は思っていました。しかしながら、事実は全く違っているようです。
 日本は世界一の魚輸入国で、今一番水揚げ高の多いのは成田空港だという冗談みたいな話さえあるほどです。 日本の輸入水産物は(17年度)349万トン、その内の鰹・鮪が37万トン。世界の3分の1をわが国が食べていると言われます。エビがその次です。
 それらはタイ、インドネシアなど東南アジアから日本に届けられますが、そのためタイの人々の好物のバンデンという魚が高くて買えなくなったそうです。鮪漁の餌として使われるからです。また、エビの養殖のためマングローブの森が伐採され、抗生物質で海は濁り、零細漁民の生活を圧迫し続けています。鮪や鰹の多くは冷凍・空輸されて日本に届き、日本のネコのためにタイの工場に送られてネコ缶に加工されるのです。
 地球上には、人の食べるものさえない国が数多く存在します。そんな中で栄養過多でメタボになったペットを作り出していることはどんなものでしょうか。心の友達としてのイヌやネコを「猫可愛がり」で育てれば、ペットの不幸だけでなく人類全体をも幸せに出来ないことにならないでしょうか。 ネコマンマ最高!とまではいいませんが、家族と同じ扱いをすることで、人も動物も本来の生き方が出来る。それこそが、本然の姿だと思うのですが…。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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