広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成19年5月号 

★人権さまざま★25
   「人権」といえば、人間のもつ大切な権利の一つですが、他の権利とは明らかに異なった特質をいくつか持っています。一般の権利が、法律の定めるものに従わなくてはならないのに対し、人権は、人間が生まれながらに持っているものであり、どの人にもどんなときにも保障されているものと考えられています。法律に書かれていてもいなくても、だれもが、生まれさえすれば当然に持っているものであり、だれにも遠慮することなく、堂々と主張できる権利です。
 また一般の権利は、法律で与えられたものであるため、社会情勢や事情が変われば、法律によってその権利を廃止することもできます。しかしながら人権の場合は、法律はもちろんのこと、憲法によっても奪うことはできないとされています。なぜなら、人権は、憲法によって与えられたものではなく、憲法の方がそれを確認しているにすぎないからだと解釈されているからです。
 そんなわけで、人権は、国に対しても主張できる権利です。
 一般の権利は、市民と市民の間で主張し合いますが、人権は国家に対して主張するものであり、原則として、市民と市民の間で主張し合うものではないとされてもいます。人権の主体となれるのは市民だけであって、国家が市民に対して人権を主張することはできないものであり市民から一方通行の権利だということもできます。
 人権の主張には、義務を伴わないというのが本来の姿といえます。「義務を考えんかよ」といわれる必要はどこにもありません。以上の特徴をひとまとめにして、人権の「固有性」「普遍性」「不可侵性」などと表現されています。
  そのような原則だけではなくそのうえに新しい人権も生まれ続けてもいます。環境権とか、プライバシー権など、今までは考えられなかった人権が主張されています。これらは憲法第13条の「幸福追求権」によって認められてきています。地球上に約200年前に誕生した人権は、いまなお発展途上といえるのです。今後の人権の歴史は私たちがつくっていかなくてはならないのです。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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