広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成18年12月号 

★人権さまざま★20
   人間の行うことがらで、戦争ほど愚かで恐ろしいものは他にありません。ひとたび戦いがおこれば、一人一人の持つ自由や平等という基本的人権もすっ飛んでしまいます。なかでも核兵器は、敵味方の区別なく、一瞬のうちに全てを破壊し尽くすことを、世界で唯一の被爆国日本人ならどなたでも知っています。今、北朝鮮が国連から厳しい糾弾を受けていますが、核兵器で世界と取引しようとするならば、大変なリスクを背負わなければならないと思います。
 国連の「核兵器の包括的研究」(一九八〇年九月)報告によりますと、「世界には約五万発の核兵器があり、それは広島の原爆の一〇〇万個分に相当する」と書かれています。その威力をTNT火薬に換算すると、地球上の人間一人当たり、それぞれ三トンずつの火薬を背負っている計算になるそうです。
 一九四五年八月六日、広島に落とされた原爆は、直径七〇センチ、長さ三メートル、重さ四トン、あだ名が「リトルボーイ」(時の大統領のあだ名で「おちんちん」というふざけた俗語)だそうです。
 エノラ・ゲイと名付けられたB29から投下されるや、広島上空五八〇 で爆発、炸裂後一〜二秒の間に、六〇〇メートルの火の玉に広がり温度は一万二〇〇〇度です。太陽の表面温度が六〇〇〇度ですから、想像も出来ない熱さです。一瞬にして溶けた地上に、音速の二倍ぐらいの圧力の爆風が起こり、推定九万人がその日のうちに亡くなっています。しかしながら、原子爆弾の恐ろしさはそれだけでは終わりません。一、二週間後、一、二年後、数年後…助かったと思った人間が、新たな被爆症状に襲われ、今も毎年数千人が亡くなっています。累計すると、広島が二二万六八七〇人、長崎が一二万九一九三人、(二〇〇二年統計)と言われています。
 今では、広島長崎型原爆の何百倍の爆弾が製造されています。戦争はもうたくさん。核兵器を地球上から完全に無くさない限り地球の上に未来はない。そんな声をわが日本から訴えていこうではありませんか。(今回は、日本ペンクラブ会長井上ひさし氏の講演を元に書きました。)
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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