広報しまんとコラム 「人が人らしく」  平成18年9月号 

★人権さまざま★17
   去る八月一日、恒例の中村地区人権教育研究大会が開催され、四五〇名余の市民が中央公民館に集まりました。午前中は、三重県人権研究所の松村智広さんのお話、午後は分科会で、私は「就学前」部会に参加しました。
 この日私は、心が揺すぶられっ放しでしたが、中でも「ことば」についていろいろと考えさせられたことでした。
 講師のユーモア溢れる話術。決して軽い内容ではない筈なのにそれを笑いで訴えていく巧みさにまず敬服しました。
 次には、手話通訳の方達のご苦労に目がいきました。開会から昼食までの丸々三時間を、僅か二人だけで、休むことなく指先の会話が続けられていきます。私は手話を全く知りません。でも、その大変さは想像できます。話し手の一言半句も聞き逃すことなく、目で聞いている方達に、指先の舌で伝える大切な役割です。縁の下の力持ちとは、まさにこの事、と実感いたしました。
 午後の会は、市内でも大きな保育所から、「子供の気になる事柄」の報告から始まりました。@名前を呼ばれても返事をしない、A話を聞いているかどうか分からない、B自分をうまく相手に伝えられないなど、育ちきれていない子らの現状が報告され、その解決のために、「ありがとう」を、職員一丸となって教えているという内容でした。
 研究協議では、この問題がメインとなり、どの園でも似た傾向があることも知らされました。
 乳幼児は、母親を中心にした大人達から言葉を教えられて、成長していきます。たくさんのことばを持っているかどうかは、親の姿勢次第です。ありがとうがいつも言える子供は、誰よりも多くその言葉を、口移しで教えられたからに他なりません。保育の先生方もそのことに着目されて、それを、大切な人権の問題として提起されたのでした。
「ありがとう」は多くの挨拶語の中でも、最も美しい日本語だとNHKの調査報告書にもあります。私たちが、人間を大切にする教育の真髄だと考えている
「人権の教育」とは、難しい理屈でも何でもなく、ありがとうが言える事から始まるのだ、と、改めて確認できた、すばらしい一日となりました。
 
   四万十市人権啓発講師   
         山本 衞
 

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